人間を食べる妖怪・・・「お前の欲しいモノは何だ?」

今朝、ふと、随分と前に読んだ本の中に書いてあったオモシロい話を思い出したのである。

で、大体は、こーゆーのは空手の神ちゃまが書けってことだから書いてみるのである。

もちろん、記憶が完全じゃないので少しワタシのアレンジを加えるのである。

じゃ、始めるねー♪

 

むかしむかし、毎日夜になると、どこかの村に大きな妖怪が現れては、

その村の人々全員を食べ殺していました。

この妖怪にとっては人間が食べ物だったのです。

が、この妖怪の情けなのか・・・

またある日の朝、ある村に現れて、その村人を食べ殺す前に

 

「死ぬ前に全員に欲しいモノを一つだけ何でもくれてやるから、

 夜までに考えておけ。」

 

この妖怪には、どんなものでも与えられる能力があったのです。

そしていつも食い殺す前に「一つだけ欲しいモノ」を与えていたのです。

それで、村人たちは、

みんなそれぞれ「死ぬ前に、たった一つの欲しいモノ」を必死に考えました。

そして、いよいよ夜になって、妖怪が現れて、

 

「お前の欲しいモノは何だ?」

 

一人一人に聞いては、その要求したモノを次々と与え始めました。

 

ある者は「おいしい肉を最後に食べたい。」

ある者は「たらふくお酒を飲みたい。」

ある者は「宝石を身に付けて死にたい。」

ある者は「可愛い女と一晩過ごしたい。」・・・など

 

みんな、それぞれが死ぬ前の最後の欲求を妖怪に伝えて、

その全ての欲求に妖怪は望み通り応えて与えました。

そうして全ての望みを叶えた後、次々と村人を喰べてしまいました。

 

と、ここで一旦中断して、

あなたならこの妖怪に何を要求しますか?

「食べ物」?「お酒」?「飾り」?「女」?

では、続き・・・クライマックスをどうぞ♪

 

村人を食べ尽くすと、その妖怪はまたどこかの村へと消えて行きました。

そして夜が明けると誰もいなくなったはずの村の中に一つの人影が・・・

妖怪が食べ忘れたのか?それとも上手く隠れていたのか?

なんと、たった一人だけ、生きていたのです。

 

それは、妖怪が食べ忘れたのでもなく、上手く隠れていたわけでもなく、

この生き残った村人にも妖怪は、

 

「お前の欲しいモノは何だ?」

 

と、訊ねました。

すると、この村人は、

 

「この命が欲しい。」

 

そうして死なずに済んだのでした。

おしまい。

 

 

まぁ、作り話であるから、「だから何なのよ。」とか「くだらん。」と

思われる方もいるであろーけれど、

なかなか深イイ話でワタシの脳みそには残っていたよーである。

もしも、村人全員が「この命が欲しい。」と答えていたならば、

全員が殺されずに済んだ!という話である。

これは今の世の人間を上手く現した作り話だと思うのである。

この人類全体で作っている「欲にまみれた心」が、この「妖怪の正体」だということである。

 

ワタシが高校生の時から20歳頃まで、

当時、一番仲が良かった友だちと毎晩電話でくだらん話をしてたのであるが、

よくした話が、

「1年後に死ぬってなったら、どーする?」

で、大いに盛り上がって話したのである。

「パチンコ三昧やな。」とか「美味いモンを喰いまくる。」とか、

「学校は辞める。」とか「東京で遊びまくる。」とか・・・

「イヤなことは皆辞めて、やりたいことだけやる。」

いつも互いに自分が思う、それらを次々と思い浮かべて話したのである。

まぁ、その時はもちろん仮想の遊び話として楽しんでただけなのであるが、

今日は、この妖怪の話を思い出したら、ふと、この友だちとの

「1年後に死ぬってなったら、どーする?」

これも浮かんできて、しばしマジメに考えてみたのである。

そんで、出た答えが、

 

「今のままで、ここで、このまま過ごす。」

 

である。

そんなワタシの心は、あの頃のワタシよりも、

成長したのだろーか?

それとも、

退化したのだろーか・・・。

 

咲 心太郎

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