土曜日の稽古には、
普段は、
ボクのお弟子さんである・・・
親戚のオジさんと2人で稽古をしてる
中学2年のTくんが道場の稽古に参加した。
5月にある空手の大会・・・
久しぶりの試合に出場することを決めたからだ。
ならば!と、
ジローにTくんの稽古相手をさせて、
ミットや受け返しの稽古を2人でやらせることにした。
ジローも試合を控えているからちょうどイイと思ったし、
空手の組手の技は、今いる門下生の中では一番、上手に出来てるし・・・
が!
昨日、ジローが自分でブログに書いてた通り、
ジローの優しい性格が災いして、
Tくんの稽古にならん!
ってことは
ジローの稽古にもならん!
どっちのためにもならないわけで・・・
突きの受け返しをやれば、
ジローは、Tくんに痛くしないよーにと・・・
少し緩めのスピードと当たらないような⁉パンチを出し、
蹴りの受けの稽古をやれば、
ジローはTくんに怪我をさせないよーにと・・・
受けられなかったTくんの頭の上を空振りしてやがるw
そんな受けなくても当たらないような突きや蹴り・・・
こんな技を出されて、
果たして稽古になるのだろーか?
土曜日は、サポーターを着けさせた!だろ?
師からいつもと違う指令が出たらさ、
弟子はただ言うことを聞くだけじゃなくてね、
その意味を考えられないと・・・成長はないんだぜw
それで、
こーしてブログに書くことにした。
人間には、「防衛反応」という
無意識に働く機能があって、詳しくは割愛するが、
身に危険が迫ったと感じた時!勝手に身体の深層部位が、
ビクッ!と反射を起こすのである。
どなたも経験があると思うけれど、
ビックリした時や目の前に虫が飛んで来た時など・・・
身体が勝手にビクッ!となって固まってしまうアレである。
空手の組手においても、
相手がいいタイミングで速い突きを出して来たり、
いいタイミングで顔を目がけて蹴りが飛んで来た時など・・・
しょっちゅう!
誰もが、多かれ少なかれ
ビクッ!ビクッ!となっているわけである。
で、微細なビクッ!には気づいてもいねーという・・・
互いに「ビクッ!vsビクッ!」状態で闘っているのである。
この反射が知らずに起こると、
脳内で混乱が起きて、身体への指令が上手く行かなくなって、
身体が固まってしまうのである。
人間は、しょっちゅう知らずに固まっているのである。
でも、よっぽどじゃない限り、気づいていない・・・
何故なら、
無意識の為せる業だからである。
無意識にやることは自意識ではわからないのである。
また
他人の自意識が自分の無意識だったりもする。
それで
他人との稽古なのである。
で、
当たらないような突きや蹴り・・・
逆に言えば、
相手が当てる気の無い突きや蹴り
なのであるから
当然、
自分の身に危険は迫っていないわけで、
そんな攻撃が飛んで来ても、
この「防衛反応」の反射は起こらないのである。
そんな攻撃を
上手く受けれるようになろーが、なるまいが、
どーでもいい!
そんな攻撃は避ける必要がねーのである。
ところが、試合では、
相手は当てに来るだけじゃなく、
自分を倒す気すら持って技を出してくるのであるから
かなりの身の危険を無意識は察知するのである。
であるからして
当然、
身体がビクッ!となるわけで、
ビクッ!となれば身体が固まって
攻撃を喰らっちゃう・・・
もしくは
イイ動きや技なんか出なくなっちゃうのである。
だから
稽古では、
当てる突きや蹴りを出さないと意味が無い!
身に危険が迫った状態でもビクッ!とならず、
そんな反射を起こさせないようになって
相手の攻撃を受けることが出来るようにならないといけないのである。
とは言っても、
ジローとTくんのように
明らかに実力差がある場合には、
格上の方が手加減をしないと怪我をさせちゃう・・・
じゃー、
何を手加減すればイイのか?
それは、
技を当てるインパクト!
これのみ!である。
当たったら大けがをさせるよーな突きや蹴りを出し、
当たった瞬間にその技のインパクトの力を弱め、その技を引き戻す!
本気の攻撃を出して、当て、瞬時に技を戻し、相手に怪我をさせない・・・
これが、
本当の「寸止め空手」であり、「サイコーの技☆」でもある。
これは
相手に効かす技よりも!より高度な技!なのである。
また
自分自身と、その技を高める唯一の方法☆である。
そして
咲心館の空手家は皆、ここを目指してもらう!のである。
ジローのように・・・
心が優しい人間は、とても良いのであるが、
ホントに優しい人間は
フルコン空手などという
相手をド突き、蹴っ飛ばし、相手にド突かれ、蹴っ飛ばされる・・・
こんな野蛮な世界には来ない!のである。
何故?自分がこんな野蛮な空手に燃えるのか?
いろんな自問自答と、日々の稽古を繰り返し、
「己を知る」
これこそが武の道である。
そして、
そんな武道を本気でやる人は皆、
「合気」へと向かい、
いつか
「アイキ♡」に到達するのである。
そこからが
本当の始まりである。
咲 心太郎
コメント
こんばんは。
この前この記事を読んで、防衛反射が出やすい場面でないと本当の練習にはならないと、
ヌンチャクを避ける練習の動画を撮り直しました。
https://m.youtube.com/watch?v=D4SnkvHOdJY
今回は前より激しく弾き、なるべく手でよけるのを少なくして、かわすことを重点にしました。(まだ弾いている方が多いですが)
ヌンチャクは手作りで木と鎖でできていて、顔に強く当たると怪我をするくらいのもので、
弾いた手も時々打撲傷が残るくらいです。
ですので、以前なら恐怖が残ってリラックスできない自分でしたが、今は自分なりにある程度の恐怖感を克服できるようになってきつつあるかなと思っています。
今回の撮影も眼鏡を外して、遠近感はほとんどありません。
(視力は0.04くらいで、視力検査表の一番上の大きな字も近寄らないと見えません)
2分以上撮りましたが、1回も大きな失敗はしませんでした。
テーマは「Don’t think.Feel.」で視界に入ったヌンチャクに「当たるな」と自分に最初に命令するだけで、あとは身体が勝手に動くに任せています。
たまに速く、とか、かわすのを多く、とか命令をするだけで、考えないようにしています。
こっちへ来たから避けるとか考えたら、かえって間に合わないと思います。
時々、「今のはよくよけれたなあ」とビックリするときもあります。
まだ撮ってませんが、腕を捕まれて、身体に任せて勝手に脱出するのも練習しています。
まだまだ、いざというときにリラックスできるかどうかわかりませんが、ちょっとずつでも平常心を保つような方向には進んでいると思います。
また、何か気付いたことなどあれば、よろしくお願いします。
こんにちは。
コメントに気づきませんでした、ごめんなさい。
よく、いろんな稽古を考えますね、感心します。
ちょっと危険なくらいで良い稽古だと思います。
さらに実在する誰かがヌンチャクを振って来たというイメージを
出来るだけリアルに持ってやると、より効果的ではないかと思います。
人間は相手の気迫などによっても防衛反応が起こりますから。
随分前になりますが、保江先生に
「ストッキングを顔に被って稽古をしてみなさい。」
と、言われてやってたことがありますが、
その意味は、今回のコメントに書かれてるようなことで、
視覚を弱めて、感度を上げてやるためでした。
くれぐれも怪我をしないようにやってくださいね。
ちなみにボクは、動画の途中にたくさん出て来た、
白い球のようなモノ⁉がめっちゃ気になりました。笑
返信ありがとうございます。
相手の気迫をリアルに感じるのは難しいけど、やってみます。
保江先生もそんなことをやってたんですね。
白い球はカメラのライトがヌンチャクの鎖に反射してできたと思うんですが。多分😅