カナダでできた友人から「夢」と「今を必死に生きる大切さ」を学んだ話

昨日で、

カナダでの話は終わったのですが、

まだまだ、書きたいことがたくさんあるので、

これからしばらくは、

カナダで起きた話を書いていきたいと思います。

 

過酷な労働環境で働いていたことは、

昨日までのブログを見てもらえれば、

分かるかと思います。

 

しかし、

終盤になるにつれて、

昼で上がれたり、

昼から出勤になったり、

3日連続休みみたいな日も出てきたりしました。

 

そんな日は、

一緒にカナダに来ていた、

同期?というか友達と車に乗って、

釣りに行ったり、

カフェに行ったり、

買い物に行ったりしていました。

 

楽しかったな〜。

 

まぁ、

この頃には、上司も元の状態というか、

大分、落ち着いていたし、

僕自身、なんとも思っていなかったので、

伸び伸びとした日を過ごせるようになっていました。

 

そんな、ある日。

 

その日は、

昼からの出勤で、

全員で、のんびりと工場へ向かいました。

 

同期?というか友達と他愛もない話をしながら、

工場の入り口へ向かい、中へ入ると、

なにやら、

カナダ人が集まって話をしていました。

 

しかも、

カナダ人達の雰囲気が暗いことに気づきました。

 

どうしたのだろう。

 

いつもは陽気なおじちゃんや、

おばちゃんまでもが、

暗い顔をしていたので、

かなり気になりました。

 

すると、

僕達が気になっているのを察したのか、

その陽気なおじちゃんが、

こちらに来て、

こう言いました。

 

「ミカエル ダイ。」

 

直訳すると、

「ミカエルが死んだ。」

 

・・・

 

実は、

僕が仕事に来ていた、

この地域には、

若者と呼べる人はほとんど、

都会の方へ引っ越していたため、

20代の子は数えるくらいしかいませんでした。

 

その数えるくらいの20代の中にいた、

しかも、

僕と同級生だった男の子が、

ミカエルでした。

 

ミカエルは、

カナダでは合法の

「マ○ファナ」

を吸っていました。

 

そして、

腕や首など、

色んな所にタトゥー入れていました。

 

そんな、

日本にいたら、

絶対に関わりたくない人間ナンバー1のミカエルだったのですが、

マ○ファナをやっていたせいか、

それとも、元々そうだったのか、

ずっと笑っていました。

 

ご飯を食べる時だって、

休憩室で話をしている時だって、

さらには、

あの過酷な労働環境の中で仕事をしている時でさえ、

ずっと笑っていました。

 

元から、面白い奴だったようで、

ミカエルが仕事をしている場所は、

その場所に居たみんなが笑顔

になっていました。

 

いわゆる、「ムードメーカー」のような存在だったわけです。

 

そんなミカエルに、

僕が空手をしていることを言ったら、

会う度に、

「オ〜!カラテボ〜イ!」

「アチョ〜!」

「カ・ラ・テ!」

と大きな声で、絡んできてくれました。

 

最初は、

「なんじゃこいつ(笑)」と思っていたのですが、

過酷な労働環境でも、

毎回変わらずに、

元気に笑いながら絡んでくるミカエルに、

僕は、

何度も励まされていました。

 

そんな彼の夢は、

日本に行って、タトゥーの学校に通い彫師になる

ことでした。

 

そのために、

このカニの仕事をして、

授業料と日本に行くお金を貯めると言っていました。

 

そんな、嬉しそうに夢を語るミカエルを見て、

当時の僕は、

目標はあったけれど、

夢がなかったので、

夢があるミカエルが、素直に羨ましかったです。

 

そんなミカエルに触発されて、

気づけば、

俺も日本に帰ったら、すごい空手家になってやる!

と、

思いつきで、ミカエルに宣言していました(笑)

 

ちなみに、

この時は、

思いつきだったけれど、

今になっては、

この時にミカエルに宣言した夢が、

僕の本当の夢となりました。

 

ありがとう、ミカエル。

 

そんな夢を語り合った、

僕に夢を抱かせてくれた、

ミカエルが死んだ・・・

 

悪い夢を見ているのかと、リアルに思いました。

 

でも、夢じゃない。

 

そうして、

その陽気なおじちゃんに、

改めて、詳しく話を聞いてみると、

「バイクをノーヘルで運転して、レースをしていたら、曲がりきれなくて、隣を走っていたトラックに轢かれたらしい。」

と話してくれました。

 

そんなんで、死ぬなよ・・・

 

ついこの間まで、

アホみたいに笑って、周りを明るくして、

真剣な顔をして、大きな夢を語っていた男が、

そんな、つまらないことで死ぬなよ。

 

何してんだよ。

と思ったし、

それと同時に、

人間、死ぬ時は呆気ない

とも思いました。

 

こうして、

人生初のカナダで、

人生初のカナダ人の友達を亡くし、

人生初のカナダでお葬式に出席することになりました。

 

そして、

人生初の教会で安らかに眠るミカエルの姿を見て、

お前の分まで、必死に生きる。

と、僕は心に決めました。

 

夢があることの素晴らしさ

そして、

人間が、いつ死ぬかなんて、

神のみぞ知ることなのだから、

今を必死に生きる

ことの大切さを、

身を持って教えてくれたミカエルに、

僕は今でも、感謝しています。

 

ありがとう。

 

そして、

 

これからも、必死に生きていくよ。

 

咲 心次郎

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