この教訓も生かしてボクの空手を育てます。

今朝、新聞のおくやみの欄に・・・

あ!

77歳のSさんの名前があった。

しばらくボクのところに来てなかったのは・・・

 

このSさんは、

ボクのお店の長年のお客さんで、

咲心館を設立した3か月後にお店に来た時に、

「ワシ、一回、空手をやってみたかったな~。」

お店に置いてあった咲心館のチラシを見て言うから

「じゃー、ボクの空手においでよ~。」

と、言うと、

「ワシ、75歳やで。もう無理や。」

なんて言うもんだから、

「ボクが、5年後…80歳の時には、すげー空手爺ちゃんにしてあげる。」

なんて大口を叩いたらさ、

なんと!次の稽古にやって来た。

「ワシ、入門してもエエか?」

そして、

道着も購入した・・・

けど、

「みんなには付いて行けんし、迷惑になる・・・」

そんで、

しばらくは、

ボクのお店で2人で稽古をすることにした。

毎回、

5種類くらいの基本稽古を教えながら一緒にやって・・・

それを

ボクが紙にマジックでやり方や注意点を書いて渡して、

「毎日、家でやって来るんだよ、宿題ね。」

そーやって、

Sさんは、その紙をいつも持参して来ては、

ボクと週2回くらいの稽古をやってた。

そんなSさんは空手の道着がとても気に入ったよーで、

「孫に見せたいんや。」

ボクはカメラで、その道着姿を携帯で撮ってあげた・・・

この日が、

ボクが、Sさんの道着姿を見るのが最後になるとも知らずに・・・

 

次にお店に来た時のSさんは、

「もう、空手は出来んかも知れん・・・」

「実は、ワシ、腎臓を患っていて、透析をせなアカンって言われた・・・」

すごく落ち込んだ様子で現れて、

まさか、腎臓を患っていたなんて思いもしなかったボクは、

何も言ってあげられなかった・・・

いや、

ただ、何とか、その心を励まそーとしたが、

「若い時のツケが回って来たんや。死神に憑りつかれたみたいや。」

その表情が以前のよーに晴れることはなかった。

 

そーして、

その後、人口透析を受けることになり、

「注射が痛い、身体がしんどい・・・」

たまにボクのお店に来ると、そんな言葉ばかりになった・・・

あんなに明るくて、元気なSさんだったのに。

しばらくすると、

「今度は、脳こうそくになって入院してる・・・」

そんな電話があって、

退院して来た、その姿は、

足の太腿が腕かと思えるくらい痩せ細っていた・・・

「こんなんなるなんて、思いもしなかった・・・」

いつの間にか、これが口癖のよーになってた・・・

 

Sさんがボクに、

人工透析の話を初めてしに来た日に

ボクの心の中では、

(透析なんかやらないで、空手で治そう。)

(例え、治らなくても、透析は受けないで空手をやろーよ。)

そー思ったけれど、

言えなかった・・・

そしてまた、

今日、ボクの「悔い」が一つ増えた。

 

人は誰しも死ぬ。

その死ぬ原因となる、最後の病気や怪我は、

どんな名医であろーと治すことは出来ない。

また、

死ぬ原因とならない病気や怪我は、

どんなにそれが酷くとも死にはしない。

その命のカギを握るのは、人間ではない。

 

あんなに元気だったSさんが、

透析を始めた以後、

みるみると弱って行った・・・

もしも透析を受けなかったら・・・

お医者様の言う通り、

もっと、腎臓が悪化して、

もっと、早く弱って行って、

もっと早く、死んだのかもしれない。

 

だけど、

変人のボクには、そーは思えない。

透析を受けなかったら、

腎臓が悪化し続けても、

明るいSさんでいただろー。

ボクと一緒に空手を続けていたら・・・

腎臓が少しは良くなって行っただろー。

そんな風にしか思えない。

それでも、

Sさんの死ぬ日は同じだったかのも知れない・・・

だが、

あんなに苦しそーな、この2年間は過ごさずに済んだだろー。

もう少し、笑って暮らせる時間があっただろー。

ホントにそー思う。

あの日、

ボクが勇気を出して、言ってあげてたら・・・

ホント、情けねー館長だよな。

ビビるんじゃねーよ。

 

また

この悲しさと淋しさ・・・

そして

この教訓も活かして

ボクの空手を育てます。

 

たった3ヶ月ほどの師弟関係だったけど、

ごめんね・・・

長い間、ボクのお店に来てくれて、

ありがとう。

ボク、がんばります。

 

咲 心太郎

コメント

  1.  咲心太郎先生

     仲良しのSさんのご冥福を心よりお祈りいたします。
     少し話が長くなりますが・・。
     この世界には因果律と言う法則があり、「原因があり結果がある」とブッダは言われ、「自分で撒いた種の果実を自分が受け取る」とイエス・キリストは言われました。
     これは、同じコトを言っておられます。
     ヒトは、輪廻転生を繰り返し、この因果律が行き渡った世界で、魂を進化させるために生まれ変わり、死に変わり、何千回、何万回の転生の果てに、ヒトとしてカラダをまとわなくても良いレベルに成長します。
     Sさんが、Sさんとして生まれ、天に召されるまでの人生の大半は、前世、前々生、もっと前の自分が過ごしてきた「原因」により、その「結果」を受け取ったのだと思います。
     もしもSさんの魂が、これで消滅するなら、先生の思いにやるせなさが残るのもムリからぬコトでしょう。
     ですが、Sさんは、さらにしばらくの静養期間を経て、必ず、また違うヒトとしてこの地上に生誕します😊
     その期間はヒトによって違うようですが、私は300年くらいの静養期間をもらっていたと思います。
     なぜ「因果律」と言う法則が行き届いた3次元宇宙で転生を繰り返すのか?
     色々な要因はありますが、ぶっちゃけで言いますと、「最も早く魂を進化させ、よりたくさんのシアワセを振りまき、より自分自身もシアワセな生命体になり、よりこの宇宙のお役に立てるようになるため」です😊
     Sさんは、少し前にカラダを脱ぎ捨ててあちらに帰りましたが、この一生の実績と経験を大切に持ち帰り、次の生誕の時に、さらに魂を進化させるにはどうすれば良いか、をあちらの世界の先生に教えてもらいながら、次の生誕までの準備を進めます😊
     ただ、しばらくは、Sさんであった感覚から、あちらの世界になれるために、少しづつ、カラダを捨てたコト、この人生での経験とデータの整理、あちらの世界の方々との顔見せ(最初は家族や友人、ご先祖様の、ような方々が会いに来てくれて、安心させてくれる、と言われております)

     先生が、前に、「体は車、心はドライバー」との喩えを話しておられましたね?
     本当にその通りで、古くなったカラダを脱ぎ捨てて、カラダは土に還り、ドライバーである魂は、魂の帰る世界へ帰ります。
     私たちからすれば、「Sさん、苦しい最後を迎えてお気の毒に😢」と思うかもしれませんが、当の本人は、鈍重だった肉体から開放され、ものスゴく自由度の高い生命体に戻って、本当に「身も心も軽やかに🙆🍀🍀🍀」になられ、死の間際の苦しみも、すでに過ぎ去った過去の出来事になっていると思います😊

     ざっくり言いますとこんな感じですが、とてもこんな量では説明しきれないので、機会があれば、またお話させてください🙆

     先生がSさんのコトを思われて、友愛の気持ちと、「もっと良くしておけば」との悔恨の気持ちがおありなのは、文面からヒシヒシと伝わってきます😊
     ですが、その気持ちを受け取ったSさんからの伝言は、きっとこんなのですよ🌸
    「苦しかった時はもう終わった🌸ありがとう😊」「先生にはたくさん良くしていただいた🌸ありがとう😊」

     先生が、Sさんのためにしてあげられるコトがあるとすれば、Sさんが旅立ったコトを嘆くのではなく、近い将来、自分も引っ越す世界で、Sさんはゲンキにやっている、声は聴こえないけど、Sさんのコトを思った時と、Sさんが自分を思った時には、ちゃんと魂の奥底で伝わっているのだと確信してください🙆(ホントは、必要な時には寝ている間にでも会いにいったりしてるんですけどね😏)

     それと、もうひとつ・・🌷
     いつかSさんが、この世界に返ってきた時に、先生の空手が、今よりももっと高いレベルで確立していて、今度はしっかりとSさんに、空手の修行をしてもらえるように、今から用意をしておいてあげてください😊

     Sさん、喜びますよ👏
     たぶん、その時は違うカラダに乗ってるけど、運転手はSさんですからね💨(今世の記憶はうすらいでるでしょうけど)
     先生の空手の道場に、無意識に引き寄せられて、気がついたら道着を着て稽古をやってますよ😊
     それで「なんだか初めてなのに、懐かしい気がするなぁ〜🙆」とか思ってるかもしれませんね👏
     その時は、先生が、あちらの世界から「よぉ〜し!!」とか言って、ガッツポーズをとってるかもしれません😊

     この世界は、無情のように見えますが、この世界をつくられた方が、「愛そのもの🌸」なのだとしたら、魂が進化すれば進化するほど、喜びが満ちて、感謝が湧き上がり、神様への賛美の気持ちがとどめなくあふれ出すようになっていくと思います😊
      
     なので今は、「Sさん、ご苦労さま😊またゲンキに空手をやろー!」と、思いを込めた正拳突きをぶっ放して、天と地を、あの振動で染めてください😊
     ご清聴、あり方ございました🙇

          ヒデヨシ

    • ヒデヨシ様

      とても素晴らしいお話をありがとうございます。
      身震いしながら読んで、とてもキレイな涙が流れました。

      実際に肉体を持っておられ、実際にお会いしたことのある
      あなた様からこんなお話を聞けたのは、とても貴重なことで・・・
      またボクの心と魂に凄く響きました。
      本当に感謝します。

      何か、あっちで元気にやってるSさんの姿が目に浮かびました!
      また、あなた様の優しさにも包まれて、
      ボクの心は晴れ晴れになりました。

      まだまだ元気に笑って生きて、
      すげー空手を創って行きます。

      これからもボクにお力添えをよろしくお願いいたします。
      あなた様と出会えたことに本当に心から感謝しています。

      久末和弘