「移動稽古編」

今日は、今日の風が吹いて予定通り「移動稽古編」である。

ま、咲心館の空手は、昨日の基本稽古と今日の移動稽古を頭と体で理解すれば、

あとは、型稽古にも組手にも、人生にも応用が出来るのである。

基本稽古と移動稽古は、最良の自分を見つけ育てる術なんである。

移動稽古における前屈立ちは、

足を肩幅に開き、前足は90°でつま先は真っ直ぐ前に向け、

後ろ足は膝の内側をピンと張り真っ直ぐ伸ばし、つま先は斜め45°に向けるのである。

ま、これがキツい間は、前足の角度を緩めてやってもいいのである。

基本と同じく正中線を意識して頭から胴体を真っ直ぐにして、

さらに背骨と腰骨の接点辺りに重みを乗せて、それを感じながら立つのである。

ここでもまた、形が決まったら、出来る限りの全身脱力である。

それからようやく前に出て突くのであるが、

(肚から動く→足が出る→足が着いて立ちが決まる→肚から動く→突く)

これが一動作の一連の流れである。

人間は前に出ようとするとき、ほとんどの人は頭が前に出て、

頭から動いてしまうのである。

頭から動くと、本来持っている力はほとんど発揮されなくなってしまうのである。

おじぎが好きな日本人であるが、おじぎをした状態では力は出せないのである。

それで背中と腰骨の接点辺りに重さを感じる立ち方を見つけ、

その重さを絶対に抜かないようにするわけである。

そうすると頭を動かした途端、この重さが抜けるのがわかるのである。

抜けたらおじぎ立ちである。

で、重さを感じながら抜かないようにして前に出ようとすると肚から動くのである。

肚から動き、後ろ足を前に出すのであるが、足は真っ直ぐ直線的に出すのである。

その後ろ足が前足となって着地した瞬間、逆に後ろ足となった足の膝を張るのである。

ここまで、手、頭、胴体と足以外はいっさい動かさず、

またそれらの力感も全く変えてはいけないのである。

移動する足は地から浮かさず、すり足で行うのである。

そして移動する間は、上下、左右とも1ミリもブレずに動くことを目指すのである。

ここでも目線を動かさないというのが肝要である。

そうして、移動して立ちが決まってから基本稽古のように突くのである。

ここまで移動の初動から突くまでの段階を述べたけれど、

各段階ごとにカクカクした動きとならないように注意して、

水の流れのように柔らかく、一動作を流動的な動きでやれるようにするのである。

固い動きは、突きと引き手の最後の締めの一瞬だけである。

ス~っと動いてパッと突くのである。

柔らかく動くときは「ス~」、速さや締めのときは「パッ」と、

頭の中に音を鳴らして、この音に合わせて動きにリズム感を持たせるのである。

他の移動稽古もこれらの応用である。

咲 心太郎

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