「今日もかよ。」
と言われそうですが、
今日のブログも昨日のブログの続きでございます。
Part①↓
Part②↓
Part③↓
Part④↓
14時間労働が休み無しで20日以上連チャンしていたころ、
精神的にも、肉体的にも、
大変だったけれど、
仕事は覚えつつありました。
また、
フォアマンやワーカーさん達とも、
軽くではありましたが、
話せるようにもなりつつありました。
過酷な状況の中だったけれど、
少しずつ自分が成長していることを実感できたので、
徐々にやりがいを感じられるようになっていきました。
しかし。
そんな少しづつやりがいを感じられるようになってきたころ、
僕の元へ悪魔がやって来ました。
その日は、
加工の場所ではなく、
カニを茹でる窯の場所で指導兼、監視を行っていました。
仕事内容としては、
窯の温度や塩分濃度を調節したり、
窯から上げたカニの温度を検温器を刺して計り、
規定の温度数を上回っていれば次の工程に流したりする場所でした。
ただ、
その場所は、一番重要な場所だったので、
70歳の上司と一緒に見ることに。
この大ベテランである70歳の上司に、
検温器の刺し方や計り方・塩分濃度の調節の仕方を、
教えてもらっていたのですが、
途中、
明らかに規定の温度を5℃くらい下回っていたカニがいました。
「あら〜これはやり直しだな〜」
と僕は思ったのですが、
隣で見ていた70歳の上司が、
「OK」
と言いました。
!?
明らかに温度が違っていたので、
僕は70歳の上司に、
規定の温度を大きく下回っていることを伝えました。
そしたら、
「なんで、お前に指図されなきゃいけないんだ!俺がGOサイン出してるんだからいいんだよ!」
なぜだか分からないけれど、ブチ切れられました。
実はこの70歳の上司、
自分の気に食わないことや、
自分の思い通りにならないことがあると、
すぐにキレる人だったのです。
まぁ、僕のような20代でも、
ヒーヒー言っているような過酷な場所で、
70歳の御老体が労働していれば、
そうなるのも分かるけれども・・・
キレるほどのことじゃないじゃないですか・・・
だけど、
その時の僕は、
いじめや失恋などの経験を経て、
また、空手を続けて、
師匠からいろんな話を聞いていたので、
精神的に強くなっていました。
なので、
昔だったらここで怯んで、
何も言い返せなかったと思うのですが、
この時ばかりは、
人生初で職場の上司に言い返しました。
「いや、これは〇〇さんが僕に教えてくれたことですよ?この温度を下回るとカニが美味しくならないって言ってたのは〇〇さんじゃないですか!」
怒らないように言ったつもりが、
疲れにより、配慮せずに、
少し強い口調になってしまいました。
すると、
僕の何倍もの声量で、
「お前、誰に口聞いてるんじゃ!お前はなんも分からないだろうが!」
と言われて、
頭を手のひらで叩かれました。
パンッ!
ここで、空手家なら、
やり返すとか、
反撃、反論にでるとかすると思うのですが、
僕はといえば・・・
泣いちゃった。
理不尽すぎる理由でブチ切れられ、
頭を叩かれた僕の脳は、一瞬、
考えることを辞めました。
すると、
自然と涙が出てきた。
正しいことをしているはずなのに怒られ、
頭を叩かれる。
そして、
頭を叩かれても、
自分が正しいことをしていることも気づいているのに、
何も反撃ができない自分が、
そこにはいました。
情けなくて、情けなくて・・・
涙が、次から次へと流れ出てきました。
また、一緒に仕事をしていた、
カナダ人のおっちゃんやおばちゃんが、
そんな僕のところによってきて、
何を言っているのかは分からなかったけれど、
励ましてくれていることだけは感じたので、
「優しいなぁ〜。」
と思い、
それでも涙が出てきて・・・
カッコ悪りぃな〜。
本当に空手してるの?
ってか、21歳にもなって、仕事場で無くなよ笑
いろんな声が聞こえてきそうですが、
泣いてしまったのだから仕方がない。
そうして、
それからは、その上司を怒らせないように、
最初に教えてもらった規定の温度を、
明らかに下回っている温度で、
検温をすることにしました。
ちなみに、
補足しておくと、
この規定の温度を下回ったからと言って、
結果的には、何も起こりませんでした。
まぁ、結果的に何も起こらなかったので良かったのですが、
自分の正しいと思っていることを、
ただ、上司に怒られることが怖いという理由だけで、
変えてしまった僕は、
根性も勇気も、何もない人間だったわけです。
ここで、
ただ空手を習って、肉体を強くするだけでは強くはなれず、
空手を習いつつ、
「心」も強くしていかなければならない
ことを思い知らされました。
そうして僕は、
地獄への階段を1歩ずつ確実に、
踏み外すこと無く、
降り始めたのでした。
Part⑥へ続く。
咲 心次郎
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