今日もお天気が良くて、風も心地いい日なので、
「久しぶりに山でも登って来ようかな。」
と思ったけれど、やっぱりお店を開けてこうしてブログを書いているのである。
で、休日にしては、そこそこお客さんが来てくれたので、良かった良かった♪である。
先日、いつものようにユーチューブを開くと、「剣岳」の動画が出た来たのである。
「あ~、そー言えば、行ったな。」
今から11年前に、この「剣岳」に登った日のことを動画を観て思い出したのである。
この「剣岳」に登る前の年に、ワタシは「立山縦走」という、
立山連邦の稜線を縦走する登山をしたのであるが、
そのとき、立山の「別山」に到着して、一服してると、
その直前まで視界がないほどだったガスが突然晴れて・・・
目の前に大きな要塞が現れた!
と、思ってビックリして、よ~く見てみると、それが「剣岳」だったのである。
めっちゃ、かっけぇー♪
山に一目ぼれである♡
で、「来年、絶対に来ます。」と「剣岳」に誓って帰ってきたのである。
そんで、本やDVDなどで「剣岳」をいろいろ調べて、登る準備を始めたのだけれど、
オレ、めっちゃ高所恐怖症やん。
ってことを忘れてたのである。
この「剣岳」は岩山で、急こう配の危険な個所がいくつもあって、
本やDVDを見てるだけで、足がすくんでしまうのである。
「こんなん、オレが登れるわけないやん・・・。」
けど、当時は山の神に憑りつかれたようになっていて、
「剣岳に誓ったんだから登らなアカン。」
で、1年後、1人で「剣岳」へと向かったのである。
が、当時のワタシの登山技術や知識は素人に毛が生えたほどだったので、
今にして思えば、この「剣岳」の登山は無謀だったのである。
生きて帰って来れたのは、いくつもの偶然という、奇跡が起こってくれたからである。
この無謀さを書くと時間が凄くかかるから省略するけれど、
いざ、登り始めて、下りてくるまで、
「オレ、今日、死ぬな・・・。」
ずっと、独り言のように口ずさみながら登山をしていたのを覚えているのである。
で、なんとか無事に「剣岳」から下りて来て、喉がカラカラだったので、
「剣岳」の麓の山小屋でコーラを買って飲むと、
「おぅぇぇ~ッ。」
口に入れた瞬間、気持ち悪くなって全部吐き出してしまっちゃったのである。
で、スポーツ飲料に変えてみたけど、やっぱり吐き出してしまうのである。
(こんなに喉がカラカラなのに何で飲めんの?オレ、どーかなっちゃった?)
山小屋からバス乗り場の室堂まで、まだ2、3時間歩かなアカンのに、
(水分を取らずに身体が持つんだろーか・・・)
けど、急がないと最終バスに間に合わないから、先を急ぐことにしたのである。
この日は、真夏日で、山という高所なのに雲が一切なく、ガスも出ず、
朝からずっと、強い日差しを浴びっぱなしだったせいか、
歩き出してすぐに、もう歩けないほどクタクタだったのである。
まぁ、「剣岳」で、ずっと「死ぬ」と思えるほどの極限状態だった疲れもあったし、
それよりも何よりも、水分不足、喉が、身体が、超カラカラだからである。
で、「もうアカンわ。」と思えたとき、
そのワタシの目の前に登山道を横切る小さな「沢」が流れてたのである。
「この水、飲めるんだろーか?」
と、突然、近くに一人のおじいちゃんが立っていたので、
「この水って、飲めますか?」
て、聞いてみると、
沢の流れの上を指さし、
「あそこに仏様が祀られてるから飲める。」
で、その指を指す方を見てみると、小さな祠が見えたのである。
そんで、安心したワタシは手で水をすくって一口飲んでみたのである。
「う、うめぇー!!」
もう、それからはガブ飲みである。
身体の中の隅々に、水が染み渡っていくのがわかるのである。
で、気が付くと、おじいちゃんはいなくなってたのである。
その後も、何度も喉が渇き、その度に「沢」の水を飲んで喉を潤し、
なんとか、やっとやっとで無事にバス乗り場の「室堂」に着いたのであるが、
そこにあった立山の湧き水飲み場でも、一人でその場を占領して水をガブ飲みである。
帰り道の駅でもサービスエリアでも、ペットボトル1本の水を買ってガブ飲みである。
いったい!どんだけの水を飲んだんだ。
家に帰ってからも水をガブ飲みである。
なのに、翌日の夕方まで、オシッコが一切出なかったのである。
そんな、この日の登山の意味を、たまたま他人の動画を観て、11年後に知るという、
不思議な人生♪である。
で、自然の力☆って凄いね。
咲 心太郎
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