海外での過酷な労働から、空手と師匠が僕を救ってくれた話 Part⑦

いよいよ、クライマックス。

 

ズタボロにされていく僕を、とくとご覧あれ。

 

Part①↓

海外での過酷な労働から、空手と師匠が僕を救ってくれた話 Part①
僕は、 一年ほど前、 カニの会社で働いていました。 この会社は、 以前勤めていたゴルフ場を辞めた後に、 友人の紹介で、 入社した会社でした。 主な仕事内容としては、 カニの配達や、 カニの加工、 冷凍庫にある在庫の整理整頓など、 いろんなこ...

 

Part②↓

海外での過酷な労働から、空手と師匠が僕を救ってくれた話 Part②
今日は昨日のブログの続きでございます。 まだ、昨日のブログを見ていない方は↓から カナダに行くことになったのは、 4月の始め頃でした。 出航当日は、 朝の8時くらいに小松空港へ母に車で送ってもらい、 東京の羽田空港へ行き、 羽田空港で待ち合...

 

Part③↓

海外での過酷な労働から、空手と師匠が僕を救ってくれた話 Part③
今日も今日とて、昨日のブログの続きでございます。 まだPart①を見ていない方は↓から まだPart②を見ていない方は↓から カナダに無事に着き、 時差の影響で、 とてつもない睡魔に襲われ、 泥のように眠ってしまった僕は、 部屋の窓のすき間...

 

Part④↓

海外での過酷な労働から、空手と師匠が僕を救ってくれた話 Part④
今日も昨日と同じく昨日のブログの続きでございます。 Part①は↓ Part②は↓ Part③は↓ カナダに着いてから1ヶ月が経ち、 カニの漁が解禁となりました。 いよいよ次の日から、 工場が本格的に始動し、 カナダでの仕事が始まるのです。...

 

Part⑤↓

海外での過酷な労働から、空手と師匠が僕を救ってくれた話 Part⑤
「今日もかよ。」 と言われそうですが、 今日のブログも昨日のブログの続きでございます。 Part①↓ Part②↓ Part③↓ Part④↓ 14時間労働が休み無しで20日以上連チャンしていたころ、 精神的にも、肉体的にも、 大変だったけ...

 

Part⑥↓

海外での過酷な労働から、空手と師匠が僕を救ってくれた話 Part⑥
今日も昨日のブログの続きなので、 飽きずに読んでいただければ幸いですm(_ _)m Part①↓ Part②↓ Part③↓ Part④↓ Part⑤↓ 70歳の上司にブチ切れられてからは、 その上司の言う通りにして、 怒られないように、過...

 

 

30歳の上司に言われて、

持ち場を移動した僕は、

20キロ近くある箱を必死こいて、

僕が元いた場所まで運んでいました。

 

その持ち場についてから、

30分後・・・

 

僕が台車に箱を積んで、

元いた場所へ持って行った時、

おかしな光景

を見てしまったわけです。

 

それは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

30歳の上司が、カナダ人の女の子と仕事もせずに楽しそうに喋っていた。

 

は?

と、思わず口に出たのを今でも覚えています。

 

そう、

この上司は、

僕に辛い重労働を押し付けて、

さらには、

カナダ人の女の子と楽しそうに喋っていたわけです。

 

そりゃ、

は?

の一言も出ますよ。

 

しかも、

僕がその場所へ箱を持って行くと、

慌てたように、女の子に指導をし始めました。

 

嘘だろ・・・

 

実は、この30歳の上司、

僕が、かなりリスペクトしていた人間の一人でした。

 

初めての海外出張だったベトナムへ、一緒に付いてきてくれて、

丁寧に仕事を教えてくれたり、

現地の美味しいご飯屋さんに連れて行ってもらったりしたし、

プライベートでも、

買い物に行ったり、

ご飯に連れて行ってもらったりしていました。

 

そんな上司を僕は、

お兄ちゃん

のように思い慕っていたし、

尊敬もしていました。

 

さらに言えば、

こんな人になりたい!

と、憧れのようなものも抱いていました。

 

だけど、

どうやら僕は、間違っていたようです。

 

たしかに、

労働環境は最悪で、

肉体的にも精神的にも辛すぎました。

 

ましてや、

上司となれば、

上からのプレッシャーや責任感で、

いっぱいいっぱいになるのも分かります。

 

それなら、

「肉体労働は他の仕事に支障が出るから、代わりにやってくれないか?」

と言ってくれれば、

その上司を尊敬もしていたし、

なにより、「仕事は手を抜かない」と決めていた僕は、

進んで重労働であろうが、

苦しい仕事でもやっていたでしょう。

 

だけど、

理不尽にイラつきをぶつけられて、

重労働を押し付けてきただけでなく、

女の子と楽しそうに喋っていた。

 

これなら、話は別です。

 

自分が辛いから、

他人に自分が辛いことを押し付けて、

自分は楽をする。

 

会社という「組織」で仕事をしていく上で、

これは絶対やってはいけないタブーだと僕は思います。

 

なぜなら、

信用を失うから。

 

会社の仕事は、

当たり前だけど、

一個人でするものではなく、

組織として動くことが大事だと僕は思うのです。

 

だから、

一人で大変そうな仕事なのであれば、

誰かがその人を助けてあげて、

一緒に仕事を手伝う。

 

そうして、

協力することで、

困難な状況をも打開できるのだと僕は思っています。

 

だけど、

この上司は、

協力して打開することではなく、

自分が楽をする道を選んだわけです。

 

それからというもの、

この上司は、

人が変わったかのように、

友達に僕の陰口を言ったり

カナダ人がサボらないように監視する仕事のはずなのに、

僕のことを監視して、少しでも休んでいたら言いに来たり、

居なくなったかと思えば、

自分ひとりだけ、休憩室で紅茶を飲んでいたりするようになりました。

 

ちなみに、

ここまで読み進めてもらった方の中には、

「本当は、お前が仕事してなかったから、そんな態度になったんじゃねーの?」

と思われる方もいるでしょう。

 

たしかに、

僕は仕事をしていたつもりになっていただけで、

もしかしたら、

上司の目には仕事をしているようには見えなかったのかもしれません。

 

だけど、

かと言って、この過酷な労働環境で、

自分の辛いことを人に押し付けて、

さらに、その人を辛くして良いことにはならないでしょう。

 

こうして僕は、

尊敬もしていたし、

信用もしていた上司から、

裏切られました。

 

まぁ、ぶっちゃけ、

僕が勝手に尊敬して、信用していただけだから、

裏切られるも何も無いんですけどね・・・

 

(人間、追い詰められてた時に本性が出るわけです。)

 

こんな感じで、

70歳の上司に理不尽にブチ切れられ、

尊敬していた30歳の上司に裏切られ、

限界と達した僕は、

仕事に行くのが怖くなりました。

 

朝は、これから仕事が始まるのだと思い憂鬱になり、

仕事中は、上司に何を言われるのかビクビクし、

仕事から帰ってくれば、不安感から部屋に閉じこもって泣いて、

寝る前は、次の日の仕事を考えると眠れなくて憂鬱になりました。

 

いじめられていた時の感覚とよく似ていました。

 

そうして僕は、

一種の「鬱」状態に陥ってしまいました。

 

だけど、

そんな窮地から、

空手師匠が僕を救い出してくれました。

 

次回、感動の最終回。

 

自分で言うな。

 

咲 心次郎

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